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5分で分かる健康経営を続けるコツ

NPO法人 健康経営研究会 理事長 岡田 邦夫 氏

今回は、健康経営のまとめとして、「健康経営を続けるコツ」についてお話させていただきます。

私が以前、政府の研究事業に参加したとき、非常に重要なことが分かりました。関西地区にある中小企業の健康づくりについて従業員へアンケート調査をしたところ、経営者がきちっと健康診断を受けて健康に関心を持っている企業の従業員は、健康意識が非常に高いという結果を得られました。
過去には厚生労働省がTHP(Total Health promotion Plan)ステップアッププランというものを作って、経営者にもっと健康づくり・健康への意識を高めてもらおうという事業もしていました。
この事業に多くの方があまり参加されなかったのは残念でしたが、これらから言えることは、経営者の皆さんが自分の健康をきちっと向上させることが大切ということです。それが従業員に感染してくのです。経営者の方が健康づくりをしていると、従業員も「これは社長や専務がやっていることだから、私たちもしっかりやろう」と考えるようになります。こういう職場を作ることが、健康経営を長続きさせるコツです。

そして、今の職場にどんな問題があるのか、経営者が従業員と一緒にコミュニケーションを図りながら、職場の環境をできるところから一つ一つ改善していくことが重要です。経営者と従業員のお互いの力が一つになった時に、企業はより大きな力を発揮することができます。その際に最初に力を出していただくのが、経営者の方です。

私たちは国の事業として、「健康経営オフィス」というものを考えました。企業の労働力を増やすにはどうしたらいいかというと、職場のいろいろな環境を良くしていくことによって、実は労働生産性が良くなるし休む人が少なくなるということが分かりました。
職場を快適にするために経営者がつぶさに職場環境を確認して、ここは問題だなと思う所があれば従業員と話をしながら一歩一歩改善していくということが重要です。こうして「健康経営オフィス」は作られます。決してお金をかけるということではなく、できるところから一つ一つ進めていただくことがコツです。いきなりたくさんのお金をかけて職場を改装するということは長続きしません。職場環境の基本と言われている3つのSというものがあります。3S(整理・整頓・清掃)から始めても結構です。

さて、最後にまとめです。
皆さんは経営者が持つ「パワー」という言葉を理解されていますか?経営者には2つのパワーがあります。1つが「エンパワーメント」といいまして、経営者の持っているパワーを従業員に与え、活性化させることです。従業員が解決できない問題を経営者が受け止めて、それを一つ一つ段階的に解決していくということです。もう1つは「パワーハラスメント」という言葉があります。これはどちらかと言うと従業員を心身ともにダメにするような力です。このパワーの使い方は、健康経営において重要なポイントです。経営者の皆さんのパワーをしっかりと、健康と企業の将来に向けて注入していただきたいと思います。

NPO法人 健康経営研究会 理事長 岡田 邦夫