製造業
Pick
up
経営層 2名
総務部 2名
各部署 3名
計7名
光学レンズの精密加工において高い技術と実績を誇る菊地光学精工株式会社。堺商工会議所を通して健康経営の存在を知り、2022年の「健康経営優良法人」の認定を目指すことになりました。
「健康経営を意識するようになったのは、お付き合いのある企業が2 ~ 3年前から盛んに認定を受けだしたことがきっかけです。しかし、それ以前から若い社員ほど健康に対する意識が希薄である点にも問題意識をもっていました。」と語る代表の菊地さん。今は健康でも10年先、20年先も健康でいられるとは限らない、病気の予防がいかに大事か、ということを社員に訴えたいと常々考えていました。
決定的だったのは、健診の結果、社員やそのご家族にがんが発見されたことです。従来の健康診断だけでは社員の健康維持は不可能だと考え、健康経営に取り組むことにしました。
定期健診・再検査受診率の低さ
健康診断の受診率は9 0 % 台前半、その中で再検査が必要な社員のうち再検査に応じた社員はわずか5 %前後にとどまっていました。健康診断の重要性を理解しないまま受診している社員もおり、意識の低さが課題になっていました。
喫煙率の高さ
喫煙率は、他の企業と比較しても高い38%。全面禁煙には反発も根強く、特に40代以上の社員の喫煙率の高さが課題でした。また、加熱式たばこは体に悪くないと考えている社員もおり、喫煙リスクの理解度に差があると感じていました。
※ 健康経営年表または、こちらをクリックすると拡大します
Point
健康診断は就業時間内に受診しますが、その際に女性付加健診(乳・子宮がん検診)の受診を認め、費用も全額会社負担としました。更に再検査費用の補助も導入して受診率の向上を目指しました。
Point
社屋内の完全禁煙化を実施しました。社長が身をもって体験した喫煙の影響を伝えたいという思いから、全社員を対象に、産業医による禁煙セミナーを開催し、禁煙の必要性や禁煙方法などを教育しました。
当社の女性社員の約8割が30代までの若手社員。そこで健康経営推進メンバーには女性社員を2名入れ、彼女たちを中心に社員に対し、女性のがん検診受診促進の働きかけを個別に行いました。
一部会社で補助をしている社内物販で特定保健用食品の販売が好評のため、商品を増やしました。またチャットツールを活用して、お弁当のカロリー等も社内発信するとともに、管理栄養士監修のヘルシー弁当を導入し、希望者による購入を可能にしました。
健康診断の受診率においては、創業以来初となる1 0 0%を達成しました。再検査の受診率も、前年の約5%から53%まで向上。また、2名の女性推進メンバーの働きかけにより、乳がん、子宮がん検診の受診者も導入初年度で8名に上りました。
定期健診、再検査受診の徹底を目指す中で、数値上の変化だけでなく、個人の健康問題をオープンに話せる土壌ができつつあります。コロナ禍以降、社員同士のコミュニケーションが図りにくい中で、自分や家族の抱えている病気、介護といった問題をより気軽に相談できる会社へ近づいています。
喫煙率に大幅な改善は見られなかったものの、産業医によるセミナーを通して加熱式たばこの危険性を認識するなど、若い世代を中心に効果が徐々に表れてきています。今後もきっちり分煙化して、社員がストレスなく会社業務を遂行できるようにいたします。