陸上運送業
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経営層 1名
各部署 3名
計4名
大正4 年創業の丸髙運送株式会社。大阪府堺市を拠点とし、100年以上にわたって運送業、石油製品の販売といった事業を展開してきました。繊細な荷物を運搬する技術や危険物の輸送技術など、高い専門性を強みとするだけに、それを支える従業員の心身の健康維持は、自社の生命線です。2019年に堺市から健康経営優良法人認定制度の紹介があり、自社の健康づくりにおける指標になると考え、申請に向けた取り組みを始めました。2020年に認定を取得し、2021年以降は2年連続ブライト500の認定も受けています。
長く働ける環境づくり
従業員の定着率は高い反面、高齢化が進み、がんに罹患する従業員が出るなど健康問題も表面化しつつあります。危険物の輸送には高い運送技術が求められるため、ベテラン従業員が身につけた技術やノウハウを若手従業員へと継承するうえでも、疾病に罹患した後も安心して治療を行い、長く働き続ける環境づくりは大きな課題となっていました。
健診・検診等の活用
ドライバーの心身の不調による事故防止のため、生活習慣病のリスクだけでなく、業務に直結する白内障・緑内障の早期発見早期治療への取り組みや、良好な睡眠をとれているかを確認するSAS(睡眠時無呼吸症候群)対策等、健康のための意識向上や行動促進が必要であると感じていました。
※ 健康経営年表または、こちらをクリックすると拡大します
Point
疾病に罹患しても働ける職場づくりのために、治療と仕事の両立支援を宣言し、所定の時間内であれば従業員が希望する曜日や時間だけ働けるよう、社内規則を改定しました。これに伴い、職務給についても見直しを行いました。また、従業員の配置転換を柔軟に変更できる制度を導入し、大型車の運転が難しくなった従業員には小型車の運転を任せ、運転自体が難しくなった従業員には事務作業を任せるなど、病気やケガが原因で離職しないためのルール作りを推進しました。
Point
1年に1回の健康診断に加え、医療機関と提携して全従業員を対象にした生活習慣病予防健診の受診を促し、年に2回の健診を実施しています。さらに心身の不調による事故を無くすため、脳ドックの受診促進と費用補助、SAS検査の3年に2回の実施と、検査後のフォローまで行うようにしました。また白内障・緑内障の早期発見のため、セルフチェックシートを作成し、眼科受診費用は会社負担としました。
長く働ける環境づくりに取り組んだことで、将来に不安を感じていた従業員の仕事へのモチベーションアップにつながりました。
さらに、運送業界の中でもいち早く認定を取得し、更に2021年からはブライト500の認定も取得したことで、従業員の会社への帰属意識や信頼が大幅に増しました。運送業界では健康経営優良法人認定を取得していない企業が多くあるため、従業員の誇りにもなっており、健康づくりに取り組んでいるという明確な指標になっています。
年2回の健診や脳ドックの受診促進により、従業員の健康意識に高まりがみられました。検診の受診に消極的なドライバーが多かった中、従業員の家族に向けた受診案内の配布や広報物の掲示といった広報活動、さらに受診した従業員の『意外と時間がかからなかった』『安心できた』といった声が周りの従業員にも伝わり、『自分も受診に行こう』と意識を変えるケースが着実に増えてきました。