建設業
会社の資産である従業員が病気によって
離職することのないように、健康経営を始めました。
管理職の者が病気で入院や退職することが続き、いかに健康が大切であるか気づかされました。会社として何か対策できないかと思案していたところ、健康経営の情報を得た従業員から提案があり、以前から推進していた社内の満足度向上の取組みとも方針が一致したので開始しました。
管理職 1名
部署担当者 1名
経営サポート部総務課 課長 | 清水 充 |
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経営サポート部総務課 主任 | 溝上 佳奈映 |
2名を中心とし、研修用の動画を作成するといった場合は情報システム課に編集をお願いするなど、各課の協力を得ながら施策を進めています。担当に任命された溝上さんはそれまで健康経営の知識はありませんでしたが、健康経営アドバイザーの資格を取得し、施策を進めています。
コミュニケーション促進のために、部活・サークルへの補助金やチャットツールを導入しています。他にも、管理職を対象に部下のメンタルヘルスケア(ラインケア)に関する研修の実施や、女性活躍推進法の改定に向けて母性健康管理規程を新たに作成しました。
病気の治療と仕事の両立支援です。私傷病休職の規程改定や通院に利用しやすいよう有給休暇を1時間単位で取得できるようにするなど、制度の見直しを行いました。また、メンタル不調者の職場復帰を支えるために、休職中に申請できる補助金等の公的支援を紹介した冊子を独自に作成しました。
従業員の健康に関する意識が変わりました。ワークライフバランスを考えるようになることで残業時間の削減に繋がり、ハラスメント防止研修では何気ない行動がハラスメントになることを認識。また、チャットツールを通じて定期的に行うアンケート調査やクイズでは、ヘルスリテラシーの向上に効果がありました。
健康経営の開始翌年には優良法人認定を取得し、2021年はブライト500にも選出された前田組。施策のポイントや健康経営を他社にも勧められる理由をお伺いしました。
「私が企画して清水さんに相談します。企画のポイントは、どうしたらできるだけ予算をかけずに済むかです。例えば喫煙対策であれば成功者にインセンティブを支給するという方法もありますが、当社は限られた予算内で進めていますので禁煙デーを設置し、喫煙の害についてチャットツールで情報を共有するようにしました。」
「やりがいを感じながら実行してもらえるようできるだけ溝上さんに任せて、我々は彼女が進めやすいようにサポートしています。」
「全従業員を対象としたハラスメント防止研修用に動画を作成しました。従業員に伝わりやすいよう、役員に説明役を依頼し、見る人が飽きないように簡潔にするなど工夫しました。実施後のアンケートには『これがハラスメントに当たるとは知らなかった』などの声が寄せられ、認識を改めることへのきっかけになったようです。」
「ブライト500を取得できたときは、ガッツポーズしました。認定要件を全体的に網羅できていることが評価されたのだと思います。会社の宣伝にもなるので、新卒採用での注目度が高まることを期待しています。また、健康経営の満足度アンケートを社内で行ったところ、『健康に気をつけるいい機会になって助かる』『頑張ってるね』など肯定的な意見を多く貰えて励みになりました。」
「長時間労働対策としてノー残業デーの設定と、手書きの出勤簿をやめて全員にスマートフォンを支給し、勤怠管理システムを導入しました。データ管理が可能になったので、分析して個々人の状況を把握できるようにすることが今後の課題です。建設業には特有の過重労働問題があります。時間外労働の上限規制が始まる予定ですし、業界全体の意識改革のために健康経営がいいきっかけになったらと思います。同業他社にはぜひ健康経営に取り組んでほしいです。そして、どうしたらもっと効率よく働けて残業を減らせるのか、みんなで考えたいです。」
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