製造業
既に取り組んでいた施策が健康経営とマッチ。
新卒採用で優位に立つためにも優良法人認定の取得を
めざしました。
人事担当者向けのセミナーに参加し、健康経営のことを知りました。話を聞いてみると、当社で既に取り組んでいる施策と方向性が一致しており、新卒採用で他社より優位に立つためにも健康経営を開始しました。
経営層 1名
部署担当者 1名
執行役員 管理部長 | 河端 学 |
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管理部 | 脇田 文子 |
大阪本社管理部の2名を中心に、2か所ある工場の管理部にも協力を得ながら推進。社内の安全衛生委員会において衛生管理者を務めている脇田さんが実務を担当しています。
ノー残業デーの設定など長時間労働対策が功を奏し意識改革に繋がったようで、時間外勤務の月平均は7~10時間に。また従業員からの要望に応えて、保育所送迎のための時短勤務の対象を小学校就学までから小学3年生までに引き上げるなど、働きやすい職場づくりにも力を入れています。
保健指導です。生活習慣病予防健診を受けた後、特定保健指導の対象となった従業員が自主的に面談に臨むことが少なく、実施率の低さが課題でした。そこで会社で一括管理することとし、保健師の方に来社してもらい就業時間内に面談できるようスケジュールを作成しました。当社は交代勤務なのでスケジュール調整に苦労しましたが、全員が面談を受けられるようになり、初回面談は100%実施しています。
特定保健指導の他にも、健診後に再検査が必要と判断された従業員に対し、受診勧奨を行っています。受診しない従業員には産業医面談を行い、再検査の必要性を説明することで、再検査受診率が100%となりました。徹底した受診勧奨により、自覚症状がないからと先延ばしにしていた従業員の前立腺がんを発見することができました。今では職場に復帰していますが、再検査に行くよう言い続けたことで、がんを早期発見することができ、本当に良かったです。
健康経営の開始翌年から2年連続で優良法人認定を取得した象印ファクトリー・ジャパン。
スムーズに施策が進んでいるコツについてお伺いしました。
「治療で長期休暇が必要となる場合に備えて、有給休暇を最大60日まで積立可能としました。年休40日と合わせると有給期間100日の休みを取れます。また、10年以上勤務した従業員は、前述とは別の休職制度として有給休職期間6ヶ月に加えて無給で1年間の休職が可能です。」
「日本の人口が減少していく中で、人材の確保は重要課題です。特に熟練した技術を持つ従業員の退職は会社として大きな痛手を受けますので、病気が原因で退職することがないようにしなくてはいけません。暫く休んで治療に専念し、また職場に戻ってきてもらえるよう休暇制度を手厚くしています。」
「50歳以上の男性従業員を対象とする前立腺がん腫瘍マーカーや、婦人科検診では乳がんエコーや腫瘍マーカーCA12 5を全額会社負担で実施しています。また、自己負担の追加検査も、可能な限り就業時間中に会社で受診できるよう体制を整えました。」
「当社は工場を持っていて、健診のために製造ラインから一人抜けたら、そこに誰を入れるか段取りをしておく必要があります。そこで健診受診のために、全従業員のスケジュールを調整し管理しています。」
「産業医の先生は月に一度来社され、希望者は気軽に面談でき、自身のことだけでなく家族の健康相談も可能です。また、治療のための休暇から復帰する際は、主治医の診断書をもとに産業医と面談を行います。」
「当社は昔からアットホームな社風で、親御さんや子どもが病気の際は早退を促す環境ができていました。健康に関することは優先し、助け合える文化があったので、健康経営の施策もスムーズに進んだと思います。」
「2020年から屋内では禁煙となりましたが、依然として喫煙率が高いことです。」
「制度は整っているものの、個人の健康意識はまだ低いように感じます。罹患後ではなく予防するという次のステップに来ているのだと思います。」
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