ストレスケース1
Mさんは、よく仕事を頼まれます。忙しくて断りたくても、断ると相手を不機嫌にさせるのではないかと感じたり、相手が困っていそうだと感じたりすると引き受けてしまい、自分の仕事がたまる一方です。
いつも頼まれた仕事を優先してしまうため、退勤する同僚を見送りながら自分の仕事を必死で片づけることも少なくありません。自分は誰のために、何のためにがんばっているのかわからなくなることがあり、達成感よりも疲労感ばかりがたまり続けています。
相手の顔色をみて反応すると、自分の意思に反することになりストレスに。
こころが軽くなる考え方のヒント
人には承認欲求があるため、頼まれたことを引き受けようと思うことはごく自然なことです。しかし、自分の意思に反して引き受け続け、それによって追い詰められていくと、自分自身を見失ってしまいます。相手の期待は相手の問題。自分自身が忙しいときは、あなたが引き受けなくてもいいのです。
ストレスケース2
Nさんは職場の同僚と以前はうまくやっていましたが、一度、きつい口調で注意をされたことをきっかけに苦手意識を持つようになりました。同僚の態度も、指示の出し方が高圧的になるなど以前と変わり、Nさんの苦手意識はますます強まって、同僚との関係がギクシャクしています。
今では、その同僚の姿が目に入るだけでイヤな気持ちになります。以前のようにうまくやれればいいですが、どうすればいいかわからず、毎朝、会社に行くのが憂うつです。
「苦手、嫌いの感情」は、心身ともに負の方向に増幅し大きなストレスに。
こころが軽くなる考え方のヒント
誰にでも苦手な人や嫌いな人はいます。嫌い、憎いなどの感情は心身をむしばみます。そんな感情は脇に置き、それが職場の人であれば、仕事と割り切ってつき合いましょう。苦手、嫌いといった感情にフタをして、ストレスをため込みながら、ムリに関係を修復しようとするとさらにストレスが増大するだけです。
ストレスケース3
Tさんは、朝早くきて仕事に取りかかり、会議では積極的に意見を言ったり、業務スピードを上げたり、やりたくない仕事も引き受けたり…と人一倍、努力しています。しかし、評価されるのはいつもほかの人で、自分が正当に評価されていないと感じています。 そのため、上司に対する不満がたまり、仕事のモチベーションは下がる一方です。これ以上、どうがんばればいいのかわからず、途方に暮れています。
ほかの人より努力している自負があるため、認められないことがストレスに。
こころが軽くなる考え方のヒント
努力は報われると信じたいですが、上司や組織が期待しているものと違うと、努力が評価されないことも起きてしまいます。成果は「努力の質×努力の量×努力のベクトル」で決まります。自分の仕事を評価してもらうためには、がむしゃらではなく、与えられた業務のアウトカムは何か、つまり上司や組織が期待していることを見極めることが大切です。
監修:
岡田 邦夫
特定非営利活動法人健康経営研究会理事長、岡田産業医事務所代表、労働衛生コンサルタント。専門分野はスポーツ医学など幅広く、長年、産業医として健康指導や講演など多方面で活躍。著書多数。